■ 抄録・要旨
| 2013年1月に中国広域で発生した深刻なPM2.5汚染が世界に大きく報道されたことを契機として、日本国内でも社会問題化し、PM2.5と越境大気汚染への関心が高まった。
越境大気汚染に関する研究はこれまでにも行われてきたが、まさに最近の状況を把握することは優位である。我々は中国国内でも同時に試料採取を行っており、この試料の化学分析を行った。
希土類元素(レアアース)は、世界の90%以上が中国で産出される。そこでこれらの元素に着目した。その結果、越境大気汚染の影響が考えられた期間に、レアアース濃度も一様に上昇することが分かった。また北京市のレアアース濃度は加須の約10倍高濃度であり、組成の比率も似ており、新たな越境大気汚染の指標となる可能性が示唆された。
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